宮大工の仕事内容とは?年収相場や求人の探し方
建設業の中でも、歴史的な文化や伝統を守るために欠かせない仕事を行っているのが「宮大工」です。
今回は、宮大工とはどのような職業なのか、仕事内容や年収の目安、やりがいについてご紹介します。
また、宮大工に向いている人に共通する特徴や、宮大工になる方法についても触れていますので、ぜひ参考にしてみてください。
【目次】
宮大工とは?仕事内容や年収相場
宮大工とは、神社仏閣などの歴史的、伝統的な建造物の建築や修繕作業を行う仕事です。
伝統建築は釘や金具を使用せず、木と木の組み合わせで建築を行う「木組み工法」による建築となるため、一般的な木造建築とは作業工程が大きく異なります。
一般的な建造物を建てる際とは異なる知識や経験が必要になるため、建築業界の中でも専門性の高い職業だといえるでしょう。
さまざまな場所にある文化財や、歴史的建造物を渡り歩くようにして仕事を行うため「渡り大工」とも呼ばれます。
また、一般住居でも木組み工法を希望する顧客もいるため、宮大工とはいえど神社仏閣以外の建造物を担当することも少なくありません。
年収の相場は約350万円~400万円で、技術や経験を積むことで600万円以上を目指すことも可能です。
歴史的建造物や建築方法に造詣が深くなり、専門性が高くなるほど人材としての市場価値も高く評価されるでしょう。
宮大工に向いている人
ここからは、宮大工に向いている人に共通する特徴や、強みを紹介します。
体力/忍耐力
宮大工は、建設業のひとつであるため肉体労働がメインの仕事です。また、専門性の高い技術を習得するためには、長く過酷な下積みに耐えられるだけのキャパシティが必要になります。
宮大工の修行は最低でも10年かかるといわれており、下積み時代が長く、一人前の職人として認められるまでに時間を要するものです。
そのため、宮大工の仕事は体力や忍耐力があり、歴史的な文化を守る人材として情熱をもって仕事に携われる人に適しています。
手先が器用
木組み工法は木材の加工作業を手作業で行うため、宮大工は手先の器用さも求められる仕事です。
普段から細かい作業が得意な人や、手先が器用な人の方が、宮大工の仕事に従事しやすいのではないでしょうか。
ただし、年月をかけて技術を習得する必要があるため「手先が器用でなければ宮大工にはなれない」ということではありません。
適正を判断する際のひとつの材料として、自分自身の強みを見極めると良いでしょう。
学び続ける姿勢がある
学び続ける姿勢がある人も、宮大工に向いている人に共通する特徴のひとつです。宮大工に必要とされるスキルは、一朝一夕では身に付けることができません。
長い修業期間の間に現場で学ぶ技術を目や耳、感触などの五感も駆使し、貪欲に吸収していかなければならないためです。
また、技術を身に付けることと並行して、知識も身に付ける必要があります。建築技術について学ぶには、建築士資格の勉強をするのも方法のひとつです。
宮大工の仕事に役立つ資格は「二級建築士」「木造建築士」「建築大工技能士(1~3級)」などがあります。
このように、多様な建築技術に対する知識を深め、技を吸収していくためには、学び続ける姿勢がある人の方が適しているでしょう。
宮大工のやりがい
修業期間が長く、大変なことも多い宮大工ですが、どのようなことにやりがいを感じるのでしょうか。
伝統ある文化財を維持する誇り
宮大工は、伝統や歴史のある文化財や建造物に携わる仕事のため、数百年~数千年以上引き継がれてきた文化や歴史に自分が寄与できるやりがいがあります。
伝統ある文化財や建造物を修繕し、建築しながら後世に残していくことは、ほかの仕事では得られない大きなやりがいになるのではないでしょうか。
施工が終わったときの達成感
宮大工が行う木組み工法は、ほとんどすべての工程を手作業で行わなければなりません。そのため、一般的な建築と比較しても長い時間がかかることから、施工が完了した際に感じる達成感も大きくなります。
木組み工法は、短くとも2年、長い場合は10年以上同じ文化財や建造物に携わり続けることになります。
施工期間中は、作業を行う現場近くに部屋を借りるケースも多く、自宅から離れることも少なくありません。
プライベートを削りながら仕事に従事することもあるため、完了したときの喜びや達成感は計り知れないものがあります。
宮大工になるには
宮大工になるには、どのような方法があるのでしょうか。ここからは、宮大工になる方法を2通り紹介します。
専門学校への通学
宮大工になる手段のひとつに、建築関係の知識に特化した専門学校へ通う方法があります。
とくに、宮大工に必要な伝統建築の仕組みを学ぶことができるため、専門学校でまず知識から身に付けるのも良いでしょう。
学校によっては、実習などを通じて実践的に知識を身に付けられるところもありますが、座学中心で知識のみ学ぶスタイルの学校もあるため、学校選びには注意が必要です。
宮大工の工務店へ弟子入り修行
宮大工になるには、神社仏閣などの修繕作業を手掛けているような工務店へ就職し、棟梁のもとに弟子入りして見習いからはじめる方法もあります。
ただし、宮大工の求人掲載数は少なく、限られているため、一般の工務店や木造建築を扱っているところへ就職したのち、宮大工の修行をはじめるのも良いでしょう。
また、先に専門学校などで学んで、建築関係の資格を取得しておくのも方法のひとつです。
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まとめ
宮大工は、専門的な知識や技術、伝統を守り後世に残すという熱意などが求められる仕事です。
厳しい修業を積みながら継承されていく宮大工は、年々担い手不足が深刻化しており、その技術は国の「選定保存技術」に指定されています。
今後も今ある歴史建造物や文化財を守り、後世に残していく宮大工の仕事に従事することは、大変なことも多い一方で大きなやりがいも実感できるでしょう。