秘書の仕事内容を徹底解説|目指す方法や必要スキル・資格も紹介
社長など重要ポジションの人についているアシスタントのようなイメージのある、秘書の仕事。
令和3年度に厚生労働省が発表したデータによると、秘書の有効求人倍率は0.39倍でした。同年の全職業における有効求人倍率は1.16倍なので、ほかの職業と比べて転職難易度が高い職業だといえます。
しかし、企業の社長・役員をはじめとした要職に就く上司をサポートする業務にチャレンジしてみたい方もいるでしょう。
そこで今回は、秘書の仕事内容についてまとめてみました。一般的な事務や受付とはどう違うのかについても解説していますので、秘書の仕事が気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。
出典:「秘書」(厚生労働省)
出典:「一般職業紹介状況(令和3年12月分及び令和3年分)について」(厚生労働省)
【目次】
秘書の仕事内容
秘書に求められるスキルを理解するためにも、まずは主な仕事内容を知っておきましょう。
電話・メール・来客対応
秘書の主な業務のひとつとして、電話・メール・来客対応があります。秘書を必要とする企業の経営陣や管理職は多忙で、すべての電話やメールに対応する時間がなかなか確保できません。
そのため、秘書が電話やメールの一次対応を行い、どの電話を取り次ぐか、どのメールを確認してもらうかなどを判断して、上司の負担を軽減します。
来客の案内や必要な資料の準備、お茶出し、上司不在時の対応なども秘書の仕事です。これらの仕事をこなすには、上司の仕事内容や人間関係を把握しておく必要があります。
上司のスケジュール調整・管理
会議や来客、出張など、スケジュール調整や管理と上司へのリマインドも、秘書の重要な仕事のひとつです。会議室の確保や参加者への連絡、新しいアポイントに対する日時や時間帯の確認も秘書が行います。
さらに、上司の移動時間に配慮しつつ、食事や休憩が取れるようにスケジュールを設定する気遣いも必要です。重要な予定の日程を間違える、ほかの予定と被るなどのミスがあると上司の信用に影響するため、慎重な対応が求められます。
文書や資料の作成・管理
秘書は、上司が仕事上必要とする文書や、資料の作成・管理も行います。作成する文書や資料は、会議の資料や業務連絡書類といった社内文書から、お礼状や打ち合わせ用の資料などの社内文書までさまざまです。
また、各所から上司宛てに届く文書・資料を整理し、ファイリング・破棄などの管理も担当します。上司から依頼されて、取引先や業務に関する情報収集を行うこともあります。
各種手配や環境整備
上司がスムーズに仕事をこなせるように、各種手配や環境整備を行うのも秘書の仕事です。たとえば、上司が出張に行くときには、移動交通手段や宿泊先を調べて手配します。
また、取引先などにお中元・お歳暮・年賀状・慶弔時の電報などを送る、上司の接待交際業務のサポートも秘書が担います。大切な取引先に失礼がないように、冠婚葬祭のマナーも必要です。
そのほか、仕事環境を整え、上司が効率よく仕事ができるようにサポートします。応接室の清掃や、備品の調達・管理など、通常は総務や庶務が担当する仕事を秘書が代行することもあります。
秘書と似ている業務の違い
秘書と似ている業務に、事務や受付などがあります。これらの業務と秘書が行う業務には、どのような違いがあるのでしょうか。ここでは、事務や受付の業務内容や、秘書との違いについてご紹介します。
秘書と事務の業務の違い
秘書も一般事務も、どちらも企業内で事務系の仕事を任されている職種です。その大きな違いは、その職種がサポートをする対象にあるといえます。
秘書は、企業の社長など重要ポジションの上司のみをサポート対象とします。一方で一般事務は、組織全体をサポートします。そのサポート体制も、秘書は一人で担当することが多く、スケジュールは担当上司に合わせなくてはなりません。
それに対し、一般事務は組織全体を担当とする分、業務量は膨大です。そのため、ある程度の規模の組織であれば、複数で分担して職務にあたります。特定の人物に合わせる必要はないため、基本的に決まったスケジュールで動いていることも、秘書とは異なる点です。
秘書と受付の業務の違い
受付も秘書と似ているように思われる仕事ですが、基本的に働く場所は企業の受付のみで、来客対応がメインとなります。スケジュール管理をすることもありますが、秘書のように特定の個人をサポートするのではなく、組織全体をサポートします。この点は、一般事務と同じです。
秘書の場合は、特定の部屋にずっといるわけではなく、上司のサポートのために社外へ出ることも多いです。
秘書とアシスタントの業務の違い
秘書とアシスタントは似た職種、あるいはほぼ同じ職種と思っている方もいるかもしれません。
アシスタントも、ついている上司のスケジュールを優先するという点では、秘書と共通しています。ただし、アシスタントが秘書と違うのは、将来的に上司と同じ仕事に就くことを目指しているということです。その職業の卵として上司につき、サポートをしながら仕事についてさまざまなことを学びます。
一方、秘書は「秘書」という職業であるため、将来的に上司と同じ役職につくというわけではありません。秘書は上司にとっては部下(サポーター)であり、アシスタントはパートナーであるといっても良いでしょう。
未経験でも秘書になれる?
社長などについて働く秘書の仕事は、経験者や資格を持っていないとなれないイメージを持っている方もいるでしょう。
秘書は資料作成や来客対応、備品の調達などを行うことが多いため、一般事務や総務、企業受付などの経験があると有利です。
社長を専門とする秘書「CEOセクレタリー(社長秘書)」や、医療業など専門性の強い業種の秘書など、一般企業以外の秘書を希望する場合は、その分野の専門知識も求められます。
ただし、中には未経験可の求人もあります。社会人としての基本的なマナーやスキルがあれば、未経験でも秘書を目指せます。
Workinでは、未経験でも応募可能な求人を多数掲載しています。こだわり検索機能で、自分の希望にあった求人を簡単に探せますので、仕事をお探しの方はぜひ一度試してみてください。
秘書に求められるスキル・資格
秘書の仕事に役立つスキルや資格をご紹介します。もちろん未経験からでも秘書を目指すことはできますが、以下のスキルや資格があると有利になりやすいです。これから求人応募を考えているのであれば、ぜひ参考にしてみてください。
基本的なパソコンスキル
秘書は、上司宛てのメールを返信したり、仕事で使う資料を作成したりと、パソコンを用いた事務の機会がたくさんあります。そのため、WordやExcelなどOffice系ソフトのスキルは、ひととおり身につけておきたいところです。
文字入力ができる程度ではなく、目的に合う文書のレイアウトや、グラフや関数を用いたわかりやすい資料を作成できるレベルを目指しましょう。
ビジネスマナー
秘書は、取引先の重役などと接する機会が多いため、ビジネスマナーも重要です。正しい敬語や言葉使い、電話・メールの返し方から慶弔対応まで、ビジネスマナーは意識すべきことが多岐にわたります。身だしなみを整えておくことも大切です。
秘書になるために、必ずしも秘書検定を取得する必要はありません。しかし、2級以上を取得しておくと秘書として十分な知識やスキルを持っているというアピールになります。
語学力
語学力も、秘書の求人に応募するときに有利になるスキルのひとつです。とくに英語力は、外資系企業や大手企業を目指すなら必須といえます。
英語を使った書類作成や来客対応、電話やメールの対応が求められるため、会話も筆記も必要となります。
バイリンガルセクレタリーを目指すなら、日本語と英語を使った秘書としての実務能力が問われる「CBS(国際秘書)検定」を受験するのもおすすめです。
まとめ
多忙な上司をサポートする、秘書の仕事は、秘書の働きが企業の飛躍を支えるといっても過言ではないほど、重要な仕事です。
秘書は多くの業務をこなさなければならず、スムーズに進めるための管理能力が求められます。未経験だけどこれから秘書を目指したいという方は、今回ご紹介した情報も参考に、応募に向けてまずは何が必要かを考えてみてはいかがでしょうか。