確定申告など、アルバイトを掛け持ちする際の税金の注意点
アルバイトを掛け持ちしている人や、会社務めで副業をしている人にとって、2月から始まる確定申告は頭を悩ませる種ですよね。
・そもそもどうやって税金を払うの?
・アルバイトを掛け持ちする場合、収入制限はある?
・アルバイトでも確定申告は必要?
など、Wワークに関する疑問はこれ以外にもまだまだたくさんあるはずです。
そこで今回は、アルバイトを掛け持ちしている人が必ず押さえておきたい「税金の注意点」について詳しくご紹介します。
Wワークの給料を合算して103万円以上だった場合は、課税対象
Wワークをしている人の中には、「103万円の壁」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
103万円の壁を簡単に説明すると、年間の所得(交通費などの非課税収入を引いたもの)が103万円を超えれば「所得税を納める必要がでてくる」ということです。
アルバイト先から年末に支給される源泉徴収票でいえば「給与所得控除後の金額」という欄に記載されてある数字が、年間の所得になるわけです。
そこの数字が103万円を超えていなければ課税対象にはならないため、所得税を払う必要もありませんし、確定申告をする必要もありません。
基準を満たす学生に対しては、103万円の枠を130万円まで拡張できる「勤労学生控除」という減税システムもあるので、学生に限っていえば「年間所得が130万円までなら非課税」となる場合が多いでしょう。
また、毎月の給与の中から「源泉徴収」が天引きされている場合、確定申告をすればお金が戻ってくる可能性が高いということをご存じでしょうか?
源泉徴収とは、アルバイト先が「あなたの所得税、先に払っておきます」といって国に納めている税金です。
もし源泉徴収票にある「源泉徴収」の欄に金額が記載されていれば、確定申告をすることで、払いすぎた税金が戻ってくるケースもあります(これを「還付」といいます)。
複数のアルバイト先の年間所得を合算して103万円以下になった人は確定申告の必要はありませんが、アルバイト先から源泉徴収を天引きされている場合、確定申告をすれば還付金が戻ってくる可能性が高いでしょう。
ちなみに夫の扶養に入っている主婦層では、2017年までは扶養控除についても「103万円の壁」があったのですが、2018年から扶養控除の上限が「150万円」に増額されただけでなく、妻の年間所得が201万円までで夫の所得が一定の範囲内であれば、引き続き配偶者特別控除が受けられるように改訂されました。
以下の記事でも解説しています。
参考:【2018年】パートの扶養内金額はいくらまで?
どちらにしても、103万円以上稼いでしまった場合には「課税義務」が発生してしまうということを覚えておきましょう。
メインのバイト以外の所得が年間20万円を超える人は確定申告が必要
Wワークをしている人にとっていまいちわからないのが、「確定申告はするべき?しなくてもいい?」ということではないでしょうか。
国税庁によると「2か所以上から給与の支払いを受けている人で、メインのバイト以外の所得が年間20万円を超える人」は、原則として確定申告をしなければいけないとされています。
3?2か所以上から給与の支払いを受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
No.1900?給与所得者で確定申告が必要な人|所得税|国税庁 より引用
ただし、メイン以外のバイトの所得が年間20万円を超えている場合でも「全ての年間所得が150万円以内」であれば確定申告は不要です。
Wワークをしている人にとって、税金の問題や確定申告の必要性などは、なかなかわかりづらい問題かもしれません。
しかし、上記でもご説明したように「源泉徴収」という所得税がバイト先から天引きされている場合、確定申告に行って還付金申請をすることで払いすぎた税金が戻ってくる場合も多いです。
基本的には「メイン以外のバイトの年間所得が20万円を超える」場合は確定申告が必要ですが、そうではない場合(全ての所得が150万円以内)もあるので、まずは全てのアルバイト先から源泉徴収票を発行してもらい年間所得を合算してみましょう。
インターネット上には確定申告や税金の情報がたくさんありますが、どうしても「理解できない!」「難しい!」ということであれば、最寄りの税務課へ連絡してみるのもひとつの方法です。
また、毎年2月~3月の確定申告の季節になると、必要書類(源泉徴収票や保険料控除証明書など)さえ揃えて指定会場へ持参すれば、プロが丁寧に確定申告の手続きをサポートしてくれます。
130万円を超える場合は社会保険の負担が増えるので注意!
所得税の支払い義務が生じるボーダーラインは年間所得が103万円(条件を満たす学生の場合は130万円)でしたが、他にも「130万円の壁」という言葉をご存じでしょうか?
年間所得が130万円を超える場合、課税対象になるのはもちろんですが、以下の項目についての可能性もでてきます。
・国民年金の支払い義務
・国民健康保険の支払い義務
所得の合算額が130万円を超えている場合、親の扶養から外れ、自分で国民年金や社会保険を支払う必要があります。
すると「所得は増えたけど支払う税金も増え、手元に残るお金は扶養であったときよりも少ない」という事態にもなりかねません。
まとめ
今回ご説明したように、課税対象になるか否かは「就学状況」「扶養の有無」「配偶者の有無」などによって複雑に変わってくるものです。
特に現在、扶養に入りながらWワークされている人は、自分の置かれた状況を見極めて稼ぐ金額を調整するといいでしょう。