地方の中小企業が人手不足を解消するには

働き方改革など、日本を取り巻く労働環境は大きく変わりつつあります。こうした働き方の見直しが行われている理由のひとつに、企業が抱える人手不足が背景にあるといっても過言ではないでしょう。特に、地方の中小企業では人手不足が深刻な問題になっているといいます。

人手不足を解消して企業が生き残るにはどうすれば良いのか、地方企業の人手不足の現状と解決策をみていきましょう。

地方では人手不足が深刻化している?

地方では人手不足が進行しているといいますが、実態はどうなのでしょう。就業者数などのデータをもとに、地方の人手不足の現状を整理してみましょう。

就業者数は減少してはいない

15~64歳の労働力人口は、国内では2013年以降減少し続けています。労働の担い手となる労働者層が減っているということです。

しかし、労働者人口とは反対に、就業者数、つまり実際に働く人の数は増えています。2019年10月の就業者数は、6,787万人で、82ヶ月連続で増加しました。

出典:「労働力調査(基本集計) 2019年(令和元年)10月分 (2019年11月29日公表)」(総務省)

労働力人口が減っているにもかかわらず就業者数が伸びているのは、労働市場に新規参入者が増えたためです。特に、30~40代の女性の参入、高齢者雇用制度などによる高齢者の参入者数が増加しています。つまり、実際に働く人自体が減ってきている訳ではないのです。

少子高齢化・大都市圏への流出で人手不足に

就業者は増えているはずなのに、地方では人手不足が進んでいるといいます。働き方改革によって多様な働き方へのシフトチェンジは進んでいますが、まだまだ若年層の成長株を労働の担い手として欲しいと希望する企業は多いためです。

しかし、就業者数は増えているといえ、増加を底上げしているのは、これまで労働市場に参画してこなかった層。全体を見れば、15~34歳の需要の高い層の就業者数は減っています。特に、地方では都市部へ流出する若年層が多く、若い人は都市部に集中する状況になっているのが現状です。

都市部では若年層も多く、企業は希望する層の雇用がしやすいですが、ただでさえ若者の減った地方では会社の希望する若年層を雇用することは難しくなっています。さらに地方に残っている若者も、人気の会社や業界に集まりやすく、地方での若年層の人材獲得競争は激化。競争についていけない中小企業を中心に、地方での人手不足は深刻化しています。

地方の中小企業が人手不足に陥る原因

地方であっても、福利厚生が充実していたり、報酬が十分であったり、求職者にとって魅力的な職場環境を整えている企業であれば人は集まります。地方で人手不足に陥る主な原因は以下のような、働き手に取って不利な要素があるためです。

賃金が十分でない

大企業のように十分な資金に恵まれている中小企業は多くないでしょう。そのため、会社を経営するための運転資金の捻出に悩まされているところもあるはずです。

たとえ故意でないにしても、人件費にコストをかけたくない理由で、働き手が思うような十分な給与を支給していない地方の企業も多くみられます。求職者側が働きたいと思う要素のひとつは納得のできる賃金ですから、仕事に見合うだけの報酬がないと人は集まりません。

雇用が不安定なイメージ

実際には安定している会社でも、生活にあまり浸透していないからか、地方の企業や中小企業に対して不安定なイメージを持つ求職者も少なくありません。採用されてもリストラされるかもしれない、会社が傾くかもしれない、という不安が働き手の就業意欲を下げてしまっています。

研修が充実していない

賃金と同じように、人件費にあまりコストをかけたくないという理由で、研修の充実を図らない地方の企業も多いです。中途入社など即戦力の雇用であればまだ良いかもしれませんが、新入社員など社会の経験が浅い人はこうした社内制度に戸惑うでしょう。

こうした会社の対応は地方に限ったことではありませんが、人手不足に悩んでいる地方の企業ほどこうした傾向が高いです。

地方の人手不足を解消するには

地方で働き手が集まりにくい理由、人手不足が起きやすい地方企業の特徴についてお話ししてきました。深刻な人手不足を解消し、企業の未来を切り開くにはどういったことができるでしょう。人手不足に悩む地方の企業が取り組みたい、人手不足解消策をいくつか紹介していきます。

労働条件を見直す

人件費のコストカットを優先して、従業員の給与に力を入れていない企業も見られますが、こうした傾向は時代に逆行しています。人手不足が深刻な地方では、労働条件を見直すことが大きな一歩となるでしょう。相対的にほかの企業と比べて条件が良くなれば、働きたいと思う人は増えるはずです。

具体的には、賃金の見直し、労働時間の見直しを図ります。一律で社員の賃金を上げることが難しい場合は、優秀な社員を評価できるように評価制度の見直しなど、社内制度を整備するのも良いでしょう。社員同士がコミュニケーションを図れる場を設けるなど、社内環境の改善も効果的です。

人件費高騰の心配もあるかもしれませんが、長い目で見たら社員の成長は会社の成長にもつながります。必要コストとして、社員を大切にする社風に変えるべきです。

業務をIT化する

労働条件の見直しによって上がった人件費は、一部の業務をIT化することによるコストカットで調整することができます。IT導入分の費用は掛かりますが、長い目で見れば人件費の大幅な節約などメリットは大きいです。

これにより生産性向上も期待できます。既存の社員は、生産性の低い業務に割く時間を減らし、会社にとってもっと効果的な仕事に集中できるようになるでしょう。

IT導入を進めれば、人材不足で悩んでいた会社も大量に人を雇う必要がなくなるので、浮いた人件費を既存社員の報酬上乗せや手当の上乗せにあてることも可能です。

外国人を採用する

獲得競争の激しい層にこだわらず、雇用の対象者を広げるのも方法のひとつです。国内で増えているのが、外国人の採用。

日本での雇用を希望する留学生の採用、在留資格を持つ外国人の採用を視野に入れつつ、採用活動を展開していくのも人手不足対策になります。

外国人の募集方法については以下のページで詳しく紹介しています。
外国人を募集する方法!ポイントを解説

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まとめ

買い手市場から売り手市場になり、地方の人手不足はますます加速しています。子育て中の女性の社会進出や高齢者の再雇用などが進んだこともあり、就業数自体は増えていますが、多くの地方企業が求める若年者層は減少する一方です。欲しい人材を獲得するには、企業自体が変化することも求められます。