多くの飲食店が悩む人手不足!その原因と対策は?

飲食店の多くは人手不足に悩んでいるといいます。飲食店の経営に携わっているなら、人材不足や労働に対する社員の不安など、肌で感じている方も多いのではないでしょうか。なぜ飲食店で人手不足が加速しているのか、現状と人手不足を招く原因、対策まで紹介します。

飲食業界は今どれほど人手不足なのか

飲食業界は人手不足といわれますが、一体どれくらいのものなのでしょうか。各種データをもとに、飲食業界の現状をみていきましょう。

他業種より離職率が高い

農林水産省食糧産業局が厚生労働省HPから算出したデータによると、2014年3月の就職3年目までの大学卒業者の離職率は、飲食サービス業・宿泊業で50.2%でした。同調査では、全業種の平均が32.2%でしたので、約1.5倍離職率が高いことが分かります。
出典:「外食・中食産業における働き方の現状と課題について」(農林水産省)

なぜ、ほかと比べて飲食業界は離職率が高いのでしょうか。契約期間の満了や本人の責によるものを除くと、もっとも多い離職理由は出産や育児となりました。

人手不足率も他産業の2倍以上

飲食業界は離職率が高いと紹介しましたが、その分、入社する人がいれば問題ないはずです。人手についてはどうでしょうか。

2019年10月の帝国データバンクの調べによると、従業員が不足していると回答した企業のうち、非正規社員が不足していると回答した企業は29.3%。業種別にみるとトップは飲食店で、非正規社員が不足している企業は78.3%にも上りました。他業種平均と比較すると、人手不足に悩んでいる企業は2.6倍以上あることが分かります。
出典:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2019年10月)」

こうした飲食業界で人手不足感が割合として高いのは、離職の多さに加え、求人への応募がなかなか来ないことが原因です。

なぜ飲食業界は人手不足に陥るのか

飲食業界は離職率が高く、人手不足に悩んでいる企業が多いこと。その原因として、離職の多さと、求人への応募者の少なさがあることを原因として挙げました。なぜ飲食業界は、他業種と比較しても人気がないのでしょうか。主な理由は4つあります。

営業時間

ひとつは、長時間に拡大した営業時間です。

飲食業界は、競合も多く価格競争も激しいため、競争に生き残ろうと、深夜営業や24時間営業を進める店舗が増えていきました。しかし、こうした飲食店の多くは、サービスの利便性を拡大しても、従業員の待遇面まで改善しているところは多くありません。

人材確保や賃金などのベースが整っていない状態で、営業時間のみを延ばした企業も多いのです。人材が確保できていない中の営業時間延長なので、多くの飲食店で、シフトを組むのも困難という状況が続いています。

労働環境

多くの飲食店で営業時間が延びたことも影響し、社員ひとりあたりの労働時間は長くなり、さらに不規則になりました。ほとんどの飲食店では、一般的な企業で採用されることの多い週休二日制が実現できていません。

それどころか、正規社員も非正規社員も、役職が上がり責任が重くなるほど、労働時間が長くなる矛盾が発生しています。人が足りない分は、立場のある人が穴埋めするようなサイクルができてしまっているのです。

立場のある人ほど働かなくてはならないため、休暇が取得しづらい上に、ワークライフバランスもとりにくい労働環境ができてしまっています。

投資額

飲食店は中小企業が多いことから投資に対する余力が十分にありません。それに加え、顧客を獲得するために顧客へのサービスを安価で提供する姿勢から、営業を続けても、投資額が思うように増えない現状があります。

投資額が少ないということは、営業の根幹である部分に資金が優先されるということ。営業拡大に大きく影響しないと思われる、今ある人材への投資はどうしても消極的になってしまいます。

飲食店で人手不足が加速しているにもかかわらず、なかなか改善がみられないのは、労働環境の整備や機械導入など、今いる人が働きやすいようにする投資が十分に行われていないためです。

経営理念の浸透

飲食店の多くは、実際に店舗で働くスタッフにまで経営理念が十分に浸透していません。どういった方向に進んでいるのか、どのような信念で仕事をするべきか示されず、ただ目の前にある作業をこなすだけになっています。

経営理念の浸透が不十分であることのデメリットは、社員の仕事へのやりがいが低下してしまうこと。なんのために仕事をしているのか、どこに向かって仕事をしているのか不安になり、結果多くの離職者を抱えることになります。

飲食業界の人手不足問題を解消するには

ここまで飲食業界が人手不足に陥る原因を説明しました。まとめると、現在の平均した飲食業界の現状に、魅力を感じられない人が多いという点が挙げられるでしょう。

従業員にとって働きたいと思える環境を作り、人手不足に歯止めをかけるにはどういった対策ができるのでしょうか。人手不足解消のための3つのポイントを紹介します。

職場環境の見直し

人手不足の原因のひとつに、長時間化する労働時間を挙げました。これにより、従業員ひとりあたりの負担が増える結果になっています。

ひとりあたりの負担を減らしワークライフバランスを取れるようにするには、業務効率化を図れる仕組みを採用することです。たとえば、IT化が例として挙げられます。

しかし、飲食業界の多くが追加で投資できるほどの資金力が不足しているのが現状。営業時間を少し短くしたり、展開している店舗を縮小したりするのも解決策のひとつとなるでしょう。

なお、職場環境の改善を図るには、同時に社員の待遇面を十分に改善することも重要です。給与の見直しほか、難しい場合は休憩所を快適にするなど、できることから取り組んでいきましょう。

労働環境の改善

飲食業界が人手不足に悩む理由に、従業員のモチベーション低下があると説明しました。ひとつは、経営理念が十分に浸透していないことによるものですが、従業員の働く意欲を引き出すには、そのための仕組みを築くことが重要です。

たとえば、仕事に対して理解を深めるための充実したマニュアル、研修制度の実施、モチベーションを上げるための公平な評価制度の見直しが挙げられます。

採用手法の見直し

人手不足を解消するには、今いる人材を大切にすると同時に、十分に人材を確保するための採用への取り組みが欠かせません。

募集して応募者を待つだけでなく、従業員に人材を紹介してもらうリファラル採用、外国人採用、ダイレクトリクルーティング、SNSを活用したアピールなども採用手法に入れていくべきでしょう。

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まとめ

飲食業界は、他業種と比べて、離職率も人材不足率も高い業界です。原因としては、飲食店特有の営業時間の長さや労働環境、さらに投資資金不足が影響していると考えられます。人材不足を解消するには、労働環境の見直しや採用方法の見直しなど、できることからはじめていきましょう。