製造業が人手不足になる原因とは?人材確保のための方法

製造業において、技術の中心となる技能人材の確保は重要なポイントです。しかし、そんな重要な人材さえ不足してしまう現状が製造業全体に見られます。なぜ、製造業で人手不足が起きているのでしょうか。原因と対策を合わせてみていきましょう。

製造業の人手不足の実態

製造業は人手不足が問題になっている業界といわれています。実際にどのくらいの企業が人手不足を実感しているのでしょうか。まずは、製造業の人手不足の現状を確認していきましょう。

経営に影響が出るほどの人手不足

2017年の経済産業省の調査によると、大企業と中小企業合わせた製造業の企業において、実に94%が人手不足を感じていることが分かりました。これは、製造業を営む企業のほとんどといって良い数字です。

さらに、そのうち人手不足によって経営にまで影響が出ていると回答した企業は約32%に達しました。どの分野も人手不足が大きな課題となっていますが、特に輸送用機械、鉄鋼、非鉄金属、金属製品を製造する企業で顕著な人手不足による影響が見られます

出典:「製造業における人手不足の現状および外国人材の活用について」(経済産業省)

中小製造業ほど「技能人材」を欲している

同じく2017年の経済産業省の調査によると、製造業全体の人手不足が課題とされる中、中小企業ほど人材不足を感じていることが分かりました。いずれの製造分野においても著しい人手不足を指摘されたのが技能人材です。

技能人材だけでなく、一般機械では設計・デザイン人材、化学工業では研究開発人材が同時に不足していると調査では明らかになりました。過去には人材が豊富だった製造業も雲行きがあやしくなり、今後も人手不足に悩む企業は増えることが予想されます。

出典:「第2節 人手不足が進む中での生産性向上の実現に向け、「現場力」を再構築する「経営力」の重要性」(経済産業省)

なぜ製造業が人手不足と感じるようになったのか

ここまで人手不足の現状について説明しましたが、なぜ製造業で人手不足が起きているのでしょうか。これには主に4つの問題があります。

労働力人口の減少

少子高齢化によって、日本の労働力人口、つまり働けると思われる人口は減少してきています。さらに、こうした労働力人口の減少に拍車をかけるのが東京一極集中という人口の偏りです。

東京一極集中によって首都圏では人材確保のハードルが下がりますが、人口が流出した地方では人材確保がさらに大きな課題となっています。

東京オリンピックによる需要増

東京オリンピック需要によって、建設業では需要が高まり、その影響で材料や機械を提供する製造業の需要も高まっています。

しかし、東京オリンピックは一時的な需要と考えられ、オリンピック終了後の需要の減少を懸念して人材確保に大きく踏み出せない企業は少なくありません。こうした要因も、人手不足がなかなか解消されない理由のひとつに挙げられます。

製造業へのマイナスイメージ

バブル経済後のリストラ、海外メーカーと比較したときの技能人材の待遇など、不景気やグローバル化を背景に製造業へのマイナスイメージは増してきました。

これに加え、一般的なイメージである、きつい、汚い、危険の3Kがさらなるマイナスイメージを生んでいます。このような負のイメージから製造業に就きたいと考える人材が減っているのも人手不足の原因です。

世代交代のタイミング

2025年までに中小企業全体で経営者が引退平均年齢を迎える企業のうち、約半数は後継者がまだ決まっていない状況だといいます。経営の根幹である経営陣でも人材確保がうまくいっていないのです。

出典:「中小企業・小規模事業者の生産性向上について」(経済産業省)

この世代交代のタイミングは経営層だけでなく技能人材も同様です。新たな人材確保のタイミングで技能を担う若手の確保が重要となっています。

このように、製造業の人材不足の原因はひとつではありません。さまざまな要因が重なった結果といえるでしょう。

今から動く必要あり!製造業の人手不足対策とは

深刻な人手不足が課題となっている製造業ですが、中には人手不足解消に乗り出し、実際に成果をあげる企業もあります。どのような対策が人手不足解消につながるのでしょうか。主な対策を紹介します。

今いる人材の離職を防ぐ

慢性的に応募者が少ないことだけでなく、今ある人材の流出も人手不足の大きな課題です。人材の離職を防ぐには、待遇だけでなく、従業員のやる気アップにも力を入れる必要があります。

まず取り組みたいのが、キャリアパスを明確にすること。成績や勤続年数などが職位にどう影響するのか明確にすることで、従業員はどのような仕事をすれば評価されるのか、自分の立ち位置が現在どこにあるかが分かるようになります。これにより、従業員のやる気を引き出すことが可能です。

ほかにも従業員のスキルアップのための助成対象講座の利用、従業員の負担軽減のためのIT投資などが、人材流出の対策として考えられます。

外国人や女性を積極的に採用

人手不足を解消するには、これまであまり重視してこなかった層へのアプローチも考えていかなくてはなりません。たとえば、一般的に製造業のイメージがあまりなかった女性の採用、技能実習制度を使った外国人の採用がカギになってくるでしょう。

ただ、採用の幅を広げるということは、これまで以上に雇用環境の見直しもしなければならないということです。特に外国人の採用では日本人とは異なる法の遵守が必要で、先に環境整備を進める必要があります。

システムやアウトソーシングの活用

製造業において特に不足しているのが技能人材だと紹介しました。こうした人材をカバーする方法として考えられるのが産業用ロボットの導入です。初期投資や運用コストが必要になりますが、自動化によって作業手順の簡略化や作業時間短縮などが期待できます。

ほかにも、アウトソーシングの活用が対策として考えられるでしょう。アウトソーシングは、遠隔でも可能な事務作業や見込み客の開拓など、技能とは違った面で活用するのが効果的です。技術以外の部分を外注することによって、企業は技術に人材を集中させることができます。

メディア露出などでイメージアップを図る

一般的に製造業には3Kのマイナスイメージがあるとお話ししました。こうしたイメージのせいか、いくら対策を行っていても、企業の取り組みが見えてこないとイメージアップは期待できません。

企業に対するイメージを上げるために、積極的に働きかけることが大切です。たとえば、WEBメディア立ち上げによる魅力の発信、SNS活用による取り組みのアピールなどが挙げられます。

同時に企業自身が動くことも重要で、ダイレクトリクルーティングなど企業による人材のスカウトも現代では重視されるようになってきました。

このように、製造業の人手不足対策はひとつではありません。さまざまな方向から対策を考え、実行していく必要があります。

人手不足解消のヒントの発信から求人掲載まで可能なWorkin

Workinでは、ここで紹介した人手不足関連の情報のほか、働き方改革や外国人採用など、さまざまな情報を発信しています。実際に人材獲得に成功された企業のインタビュー内容もあり、具体的な対策の検討にも役立つことでしょう。

さらに、求人掲載による人材へのアプローチも可能です。Workinでの求人掲載や情報を人手不足解消にお役立てください。

まとめ

人手不足は、製造業全体の課題になっており、特に中小企業や地方で顕著です。こうした人材獲得の問題を解消するには、さまざまな方向から対策を講じていく必要があります。

採用活動に力を入れることはもちろん、実際にどのような取り組みが行えるのか、人材獲得に成功した企業はどのようなアプローチを行っているのかなど、情報収集も積極的に行いましょう。