外国人採用で人手不足を解消!必要書類について解説

外国人採用には様々な手続きがあり、そのたびに必要書類を用意しなければいけません。手続きを怠ると法に抵触して懲役や罰金刑が科せられますし、不備があると入社が遅れてしまい、結果として無駄な時間が発生してしまうでしょう。どんなときに、どのような書類が必要なのかご紹介します。

外国人を雇う際に必要な書類

まずは外国人を雇うときに必要な書類をご紹介します。
その外国人が国内にいるか国外にいるかによって異なります。

国内の外国人を雇う場合

まずは在留資格を確認する

雇用しようとしている外国人が現在所持している在留資格と、雇用後に就く業務内容で必要な在留資格が一致しているかを確認しましょう。

在留資格には「就業できるもの」と「できないもの」があり、さらに就業できるものも、職務によって資格が異なります。例えば、事務職として採用するのであれば「技術・人文知識・国際業務」、介護職なら「介護」という資格が必要です。

在留資格を確認するには、滞在期間が3ヶ月以下ならパスポート、3ヶ月を超えるなら在留カードで確認できます。

滞在期間 在留資格を確認できるもの
3ヶ月以下 パスポート
3ヶ月以上 在留カード

資格が無いのに働かせると、入管法(出入国管理及び難民認定法)に抵触します。会社側に3年以下の懲役か300万円以下の罰金、あるいはその両方が科せられてしまいます。

ただし、以下の4つの資格は活動の制限が無く、どのような職種でも働けます。

・永住者(永住権を取得している外国人)
・永住者の配偶者等(日本で出生・在留している子どもを含む)
・日本人の配偶者等(実子、特別養子も含む)
・定住者(日系人や外国人配偶者の連れ子など)

在留資格については、以下の記事にて詳しい内容を紹介しています。

外国人採用を進める前に!きちんと理解しよう「在留資格」

採用するのが留学生の場合は、在留資格が「留学」になっており、そのままでは働けません。ただし、資格外活動の許可を受けていれば、週28時間まで働くことができます。

在留資格の変更手続き

在留資格を確認し、現在の資格と、雇用後に必要な資格が違う場合には、変更手続きをする必要があります。

手続きは、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署か外国人総合インフォメーションセンターで、本人が行います。在留資格変更許可申請書は、変更したい在留資格ごとに異なり、法務省のWebサイトからダウンロード可能です。

必要書類は本人が用意するものと、会社で用意するものがあります。

本人が用意するもの

在留カード/パスポート/学歴を記載した履歴書/学歴を証明する書類(卒業証明書や成績証明書など)/本人の写真(縦4cm×横3cm、手続きの前3ヶ月以内に撮影されたもの)

会社が用意するもの

登記事項証明書/定款(コピー)/直近の決算書(コピー)/会社案内のパンフレット(Webサイトの写しでも可)/雇用理由書/雇用契約書(コピー)
※企業の規模や業態によっては、前年分の「法定調書合計表」(受付印があるものの写し)も必要

そのほかに手数料として、4,000円分の収入印紙が必要です。手数料納付書に貼って納付します。

申請内容や添付の書類に問題が無ければ、在留資格は2週間ほどで変更されますが、年度末などの繁忙期は1ヶ月以上かかるかもしれません。予定どおり働いてもらうのであれば、余裕をもって準備しましょう。

既に別の会社で働いている外国人を転職させる

既に別の会社で働いている外国人を転職させて働かせるときは、「就労資格証明書」を取得しておくと安心です。自社で働くことができる資格を保有していることを、法務大臣が証明してくれます。資格が無いのに働かせるという誤りを防げるわけです。

就労資格証明書交付申請書は、在留資格変更許可申請書と同じく、法務省のWebサイトからダウンロード可能です。

会社側で用意する書類、本人が用意する書類があります。

会社側で用意する書類

会社側で用意する書類は在留資格変更許可申請と同じです。本人が用意する書類は若干異なります。

本人が用意する書類

在留カード/パスポート/前職の退職証明書/前職の源泉徴収票

写真や学歴・職歴が分かる書類は不要です。そのほかに手数料として1,200円かかり、同額の収入印紙を手数料納付書に貼って納付します。就労資格証明書の交付には1~3ヶ月ほどかかるため、その期間を見込んだ上で採用計画を立てると良いでしょう。

国外の外国人を雇う場合

採用したい外国人が国外にいて、これから来日してもらう場合は、スムーズに在留資格を取得できるよう、事前に「在留資格認定証明書」を申請します。

在留資格認定証明書を申請する

窓口は、住居地を管轄する地方出入国在留管理官署か外国人総合インフォメーションセンターです。在留資格認定証明書交付申請書は法務省のWebサイトからダウンロード可能で、申請する資格によって書式が異なります。

申請にあたっては、本人と会社それぞれに以下の書類が必要です。

本人が用意するもの

大学の卒業証明書または職務経歴書/本人の写真(縦4cm×横3cm、手続きの前3ヶ月以内に撮影されたもの)

会社が用意するもの

登記事項証明書/定款(コピー)/直近の決算書(コピー)/会社案内のパンフレット(Webサイトの写しでも可)/雇用理由書/雇用契約書(コピー)/392円分の切手を貼付した返信用封筒
※企業の規模や業態によっては、前年分の「法定調書合計表」(受付印があるものの写し)も必要

手数料はかかりません。交付までには1~3ヶ月ほどかかる見込みです。

就労ビザ申請、住民登録、社会保険や労働保険の加入、所得税・住民税の手続き

在留資格認定証明書が交付されたら、採用する外国人に送ります。本人がこれとパスポート、写真を現地の日本大使館に持参して、就労ビザを申請するという流れです(一部の国籍では他に必要となる書類があります)。

注意点として、在留資格認定証明書には有効期限があり、交付されてから3ヶ月以内に入国しなければ無効になります。入国の時期に合わせて交付のタイミングを調整できるので、窓口で相談しましょう。

無事に入国できて居住地が決まったら、入国から14日以内に市区町村役場で住民登録をしなければいけません。本来は本人が行うものですが、日本に不慣れなうちは会社側でサポートすると安心です。

住民登録が終わって在留カードに住居地が記載されると、パスポートの代わりとして各種手続きで使えるようになります。

これを機に、会社側でも入社に向けて社会保険や労働保険の加入、所得税や住民税の手続きを進めましょう。

外国人の入社後に必要な書類

次に外国人の入社が決定したときに必要な書類です。

雇用契約書

入社が決定したら、雇用契約書を作らなければいけません。先述のとおり、在留資格の変更や就労資格証明書の交付、在留資格認定証明書の交付で必要になります。

海外では日本よりも契約書の内容を重視しており、労働時間や給与、休暇など単に就業規則を使って説明するだけでは不十分です。必ず雇用契約書に明記し、日本語と母国語の2種類を作成しましょう。

その際、業務内容は在留資格と合っていなければいけません。また、就労資格の取得(在留資格の許可や在留期間の更新)が条件であると明記しておけば、条件を満たさなくなったとき、すぐ無効にできます。

外国人雇用状況の届出

2007年(平成19年)10月1日から、外国人を雇用したときは「外国人雇用状況」をハローワークに提出するよう、すべての事業主に義務付けられました。雇用時だけでなく、離職時も手続きしなければいけません。

雇用保険に加入するのであれば、従来の「雇用保険被保険者資格取得届」を使えます。離職時は「雇用保険被保険者資格喪失届」です。被保険者になった(被保険者でなくなった)翌月の10日までに提出します。

雇用保険に加入しない場合は、雇用時も離職時も「外国人雇用状況届出書(様式第3号)」を使い、提出期限はどちらも翌月の末日までです。

提出を怠ると雇用対策法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)の第28条に抵触します。事業主に対して30万円以下の罰金です。

まとめ

外国人採用の手続きは、時間がかかるものが多いため、予定通りに働いてもらうには入念に必要書類を準備しなければいけません。自社で対応するのが難しいときは、ハローワークの「外国人雇用管理アドバイザー制度」を利用できますし、民間の外国人採用支援サービスもあります。