山口県ってどんなところ？

本州最西端の県

山口県は、中国地方に属しています。本州最西端の県で、九州とは関門海峡を通してつながっています。島根県と隣接している東部以外の三方は海に囲まれているため、水産品の生産が盛んです。特に下関市のふぐが有名で、全国的にも高い評価を受けています。また、この地域はアンコウの水揚げ量でも全国1位の実績があります。

県土は中国山地の西端に当たるため山地が多く、自然資源が豊富です。中国地方に属している5県では、日本海側を「山陰」、瀬戸内海側を「山陽」と呼んでおり、山口県では山陰側と山陽側で人口の偏りや異なる主要産業があります。人口が集中しているのは山陽側で、およそ全県民の7割が山陽側に住んでいます。もっとも人口が多いのは、県内再生部に位置する下関市で、ほぼ中央に位置している県庁所在地の山口市よりも多くの人が住んでいます。また、県内の美祢市には日本最大のカルスト台地が広がる秋吉台と、その地下には日本を代表する鍾乳洞である秋芳洞があり、観光地として有名になっています。

瀬戸内海に面する山陽側は瀬戸内工業地帯に属しており、鉄鋼、石油、製鉄などを利用した産業が盛んです。他にも、大手自動車メーカーの製造工場や医薬品の製造拠点が集積する地域であるため、自動車産業や医薬品産業でも成果を挙げています。山陰側では農業や観光業が盛んです。このように、県内の地域でそれぞれ主要産業が異なる地域となっています。農産品では、夏みかんや梨、りんごなどの果物類の生産量が多く、日本酒やお茶などの加工品の製造も行われています。

各地域特色を活かした連鎖型地域構造

山口県では、「未使用資源」の活用を目的とした、田舎体験を実施しています。未使用資源とは、これまで具体的な利用用途が限られており、情報の発信も限定的であった「田舎地域」ならではの魅力ある資源のことです。県からは、一大観光エリアとなるために必要なノウハウを伝えるアドバイザーの派遣や、補助金の支給が行われています。

実体験を通じて田舎地方の魅力を知ってもらうことが、定住促進による人口増加や観光客数の増加などにもつながっています。一つの地域が県全体を牽引するのではなく、各地域がそれぞれの特色を活かして県全体を支える連鎖型の地域構造となっている山口県だからこその政策案といえるでしょう。

改正し、さらに充実した支援制度

山口県では、2014年7月に企業立地促進制度を改正し、これまでのよりもさらに充実した支援制度を実施しています。目覚ましい成長を遂げている医療関連分野や、エネルギー関連分野など特定の事業者に対して、補助率の引き上げを行っています。この特定業種の企業が、県と市が共同で開発した産業団地に立地する場合にはさらに補助率を引き上げるなど、特定分野産業の県内進出に特に重点的に力を入れています。また、工業の集積率が思わしくない過疎地域に立地する場合には補助要件の緩和を行い、新たに国内拠点を構えたいと考えている企業にも考慮しています。

山口県には、企業が拠点を構える上で魅力的に感じる立地環境が整っています。県内には高速自動車道が整備されており、陸路での輸送において非常に利便性が高くなっています。海上輸送の主要な拠点となる重要湾港の数も多く、産業団地にアクセスしやすい立地に空港があるなど、陸海空それぞれの経路が充実しています。また、工業にまつわる教育に非常に力を入れている県としても有名です。2012年学校基本調査によれば、工業を学ぶ高校生の割合が全国3位となっており、優秀な人材を確保しやすい地域であるといえるでしょう。恵まれた地勢から自然災害の影響も受けにくく、拠点を構えるリスクが少ないことも魅力です。山陽側は1年を通して温暖な瀬戸内海式気候で過ごしやすいなど、従業者にとっても働きやすく、地域に根付きやすい理想的な環境が整っています。

次世代産業クラスター構想

山口県は、医療産業が発達した県です。瀬戸内沿岸地域を中心に、医療関連企業が集中しています。民間企業、教育機関、官公庁が協力して、日本でも有数の医療産業の集積地を目指しています。雇用創出と県の経済促進に結びつくように積極的に医療関連企業の誘致が行われており、山口県では「次世代産業クラスター構想」が策定されています。研究開発や人材育成など、医療産業の成長に欠かせない分野に対しては積極的に補助金で支援し、イノベーションを推進しています。医療産業は、全国に先駆けて高齢化が進んでいる山口県には必要不可欠の事業であり、地域の特性を活かして成長が見込みやすい産業でもあります。ニーズとそれを活かす土壌の両面が揃っている、医療産業の発展に優位な地域といえるでしょう。

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