数か質か?転職活動における求人応募の考え方
ネットやフリーペーパーを利用すれば、多くの求人を探すことができます。
気になる求人が見つかれば、積極的に応募してチャンスを広げるべきでしょう。
しかし、同時にいくつもの企業に続けて応募して困ることはないのでしょうか?
転職活動では、ここぞという企業に絞って応募するのと、とにかく大量に応募するのとでは、どちらが有利なのか悩む方も多いでしょう。
今回は転職活動における求人応募数について解説します。
【目次】
実際は何件くらい?転職成功者の応募数
ほとんどの人が複数の企業に応募
まずは実際の転職希望者の応募状況の実態を確認してみましょう。
ある転職サイトのデータによると、内定をもらうまでに応募した企業の数は平均で約15~16社です。
80%以上の人が2つ以上の企業に応募し、50%前後の人が10社以上に応募しています。
年齢が上がるにつれて応募社数は増える傾向にあり、40歳を超えると平均応募社数は23社以上になります。
この数は30歳以下の平均応募社数より10社以上も多い数です。
応募数に対する内定数の現実
実際の応募数に対して、いくつぐらいの内定が取れるのでしょうか?
実は、20社以上を応募した人の50%以上が内定数1社という調査結果が出ています。
最も内定数の多い30歳台前半でも内定数は20社応募して3社ほどです。
内定1つもらうのも大変な時間と労力が必要なのです。
リスクを回避!複数応募することのメリット
転職することを決めたからには、前職より良い条件で長く働きたいと思う気持ちも強いでしょう。
応募する企業も吟味して、「本当に入りたい企業だけ・・・」と考える人も多いかもしれません。
しかし、応募数が少ないということは、リスクが高まる場合もあるということを理解しておきましょう。
では、実際にはどのような時に応募数を増やし、どのような時に応募数を絞ったらよいのでしょうか?
こんな場合は応募数多めが有利
・転職活動期間を短くしたい
・すでに会社を辞めて転職活動をしている
・今までのキャリアと違う仕事がしたい
こんな場合は応募数を絞る
・仕事を続けながらの転職活動で忙しくて時間がない
・今までと同種のキャリアの仕事をしたい
複数応募で転職のリスクを回避
応募数に対する内定数からわかるように、的を絞って受けたからといって必ず採用されるわけではありません。
書類選考や面接試験などを経て不合格となれば、全て一からやり直しです。
1件ずつ応募していると、転職期間が非常に長くなる可能性があります。
転職活動期間の平均は2カ月程度ですが、5人に1人は3カ月以上かかるという調査結果が出ています。離職してから転職活動をする場合、転職活動期間が長くなると不利な印象を与えることもあります。
また、書類選考や1次面接を通ったとしても、その時点で受けた企業が合わないと感じることもあるでしょう。
そのような場合でも、複数の企業に応募していれば他の企業と比較して、合わないと思ったところの応募を取り消す選択ができます。
複数応募することで起こる意外なデメリット
大量応募はメリットが大きい反面、大量に応募したからこそ起こるデメリットもあります。
複数の企業からタイミングの悪い時期に内定が出る
内定はうれしいことですが、内定を受けた後、本命企業の選考結果が控えていたらどうでしょう。
内定の連絡をもらってから返事をするまでの期間は、多くの企業で1週間から2週間ほど。
「第一志望じゃないけど、本命が決まるかどうかわからないし、とりあえず・・・」と、内定の返事をした後、本命企業から内定をもらうこともあり、後悔する事態もあり得ます。
応募は、できれば短期間でほぼ同時に複数企業に行いましょう。
複数の内定が同時期に出て、それらを比較できる状況がベストです。
忙しいのに大量応募してしまい準備ができない
早く転職したい場合、一度に大量に応募してチャンスや選択肢を広げるべきですが、まだ仕事を続けているのなら少し考えるべきです。
仕事を続けながらの転職活動の場合、応募企業のことを調べる時間が十分に取れず、書類作成や面接準備がおろそかになる可能性があるからです。
現在の仕事にも、悪い影響を与えかねないでしょう。
応募辞退の連絡が必要
面接まで進んだのに、他の企業から内定をもらって応募を辞退するケースがあります。
この場合、社会人のマナーとしてお詫びの連絡をしなければなりません。
もう関係ないからと無視するのは社会人として恥ずかしい態度です、
複数の応募辞退に対して、一つひとつ丁寧に連絡するのはかなり骨が折れることでしょう。
まとめ
・大量応募は短期間で転職を決めたいときに有利
・大量応募は複数の選択肢から選べる可能性が増える
・離職して転職活動をする場合は大量応募する
・仕事を続けながらの転職活動の場合、応募は少なめにする
転職活動では、ある程度の数の求人応募が必要だということがわかりました。
本命企業だけに絞って応募するスタイルは、失敗したときのリスクが大きすぎるのでおすすめはできません。
リスクを分散する意味でも、複数社に同時に応募するほうがいいでしょう。
ただし、やみくもに大量応募をすればいいわけではありません。
たくさん応募しすぎて、一つひとつの企業に対するリサーチや面接練習などの準備がおろそかになっては、どこの応募先にも受からずに終わってしまうことも考えられます。
複数応募するとは言っても、無理のない範囲に留めておきましょう。